「実力派の営業」と「雰囲気だけの営業部長」の違いとは?
昭和の営業部長、絶滅危惧種になる?
かつて、日本の営業部長といえば 「肩ポン部長」「面倒見のいい上司」 というイメージがありました。
部下を引き連れて得意先を訪問し、名刺交換の後は
「いやぁ、〇〇さん、最近どう?」と世間話で場を和ませる。
部下が取ってきた案件には「よし、よし!」と背中を叩いてOKを出す。
部内の若手がミスをしたら「俺がケツを拭くから安心しろ!」と豪快に笑う。

こんな昭和の営業部長像、今ではすっかり絶滅危惧種になりつつあります。
かつては、企業間の付き合いや長年の信頼関係がモノを言った時代。
「人柄がいい」「場の空気を読める」営業部長は、それだけで重宝されていました。
しかし、時代は変わり、営業の世界も 「結果」や「スキル」がより重視 されるようになりました。
今回は、そんな 「雰囲気だけの営業部長」と「実力派の営業」 の決定的な違いについて、
そして、シニアの営業職が今、転職市場で求められる理由 についてお話しします。
① 雰囲気だけの営業部長にありがちな特徴
✔ 「関係性」重視で、具体的な戦略がない
「いやぁ、うちの会社とはもう20年来の付き合いだからさ…」
というフレーズが口癖。
「関係性で仕事を取る」ことに慣れてしまい、
新規開拓やデータ分析にはあまり関心がない。
✔ 「決済者」ではなく、場を和ませる役割
大事な商談の席に同席はするが、実際の契約の詳細は部下に任せる。
「まぁまぁ、一杯どう?」が交渉のキーワードになってしまう。
✔ 「営業成績」ではなく、「社内政治」に精通
実は、社内での立ち回りは上手い。
役員との飲み会には必ず参加し、「上から可愛がられる」 のが得意。
しかし、実際の売上数字では若手に抜かれることも…。
🔹 こんな部長、実際に転職市場でどう評価される?
残念ながら、「部下をまとめるのが得意」だけでは評価されにくくなっています。
「何の実績を残したのか?」が問われる時代になっているのです。
② 一方で、実力派の営業は何が違うのか?
では、「今の転職市場で求められる営業」とはどんな人材でしょうか?
ここで、ある実力派の営業マン Tさん(52歳・BtoB営業) の事例をご紹介します。
✔ 商談に入る前に「数字」と「データ」で勝負を決める
Tさんは、長年の経験から 「この業界の発注タイミング」 を熟知。
営業をかける前に、業界トレンドや顧客の購買履歴をしっかり分析。
「そろそろ新規契約の時期ですよね?」と先回りして提案することで、
競合を出し抜いていました。
✔ 「長年の経験」を、具体的な実績に落とし込める
「これまでの取引先の95%がリピート契約をしてくれた」
「新規開拓で前年比売上120%を達成した」
…といった具体的な数字を示せるのが、実力派営業の特徴 です。
✔ 「若手にはない強み」を持っている
Tさんのような 経験豊富な営業職が、若手と決定的に違う点 はここです。
🔹 業界の動向や「決裁者の心理」がわかる
🔹 顧客の「本音」を引き出せるヒアリング力がある
🔹 若手が知らない「過去の失敗パターン」も経験済みで、応用が効く
例えば、ある会社の決裁者が 「一度ダメと言った商談でも、3ヶ月後なら通る」 ことを知っている。
過去の営業経験から、「この会社の決裁フローは時間がかかるから、じっくり攻めるべき」と判断できる。
こうした 「経験からくる知見」 は、データ分析だけでは補えません。
③ シニア営業職に今、求められる3つの力
シニア層の営業職が転職市場で評価されるには、以下の3つのスキルが求められます。
✔ 1. 「データ」と「経験」のバランスを取れる
経験だけではなく、データを活用して戦略を立てられること。
ExcelやCRM(顧客管理ツール)を使いこなせるとさらに強みになります。
✔ 2. 若手営業に「指導」できるスキルを持つ
単に「自分の営業力が高い」だけではなく、
「若手を育成し、営業チーム全体の数字を伸ばせる人材」は企業にとって貴重です。
✔ 3. 「変化に対応できるマインドセット」がある
「昔はこうだった」と過去のやり方に固執せず、
「今の営業スタイル」を柔軟に学ぶ姿勢 を持つことが大切です。
④ シニア営業職の転職、成功のポイント
では、シニア営業職が転職を成功させるためには、どうすればいいのでしょうか?
✅ 「自分の営業実績」を数字で語れるようにする
✅ 最新の営業手法(デジタルツール、CRM活用など)を学ぶ
✅ 「営業経験+マネジメント経験」をアピールする
これらのポイントを押さえれば、
シニアの営業職でも、十分に市場価値を高めることが可能です。
⑤ まとめ:「雰囲気営業」から「実力派営業」へ
✔ 「人柄」だけの営業部長は、評価されにくくなっている
✔ 転職市場では「具体的な実績」が求められる
✔ シニア営業職は、「経験をどう活かせるか」が鍵
とはいえ、「昔ながらの営業スタイル」が すべてNG なわけではありません。
長年の経験や顧客との信頼関係を、現代の営業手法に組み込むこと で、
シニア営業職の市場価値はグッと上がります。
転職市場で「求められる営業」になるために、
今こそ、自分の営業スタイルを アップデート していきましょう!
次回は,「自分が出会った伝説の営業マンの話」 をお届けします!💼✨